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徹志は、バスを降りると一伸びし、携帯を取りだし電話をかけた。
プルルルル…プルルッ
2コールもしない内に電話の相手は出た。
「てっちゃん?着いたの?」
電話の相手は伊織だった。
「おす!今朝着いてバスに乗り換えて今道の駅で休憩中なんだ。」
「そっかぁー。無事着いたんだね!良かった!」
伊織は安心して、息をふぅと吐きながら言った。
「行きの列車の中でさぁ、バックパッカーやってるジョーっていうヤツに会ってさぁ…」
徹志は列車内で出会ったジョーの事を話し、友人になった事を話した。
伊織は嬉しそうに話を聞きながら、徹志に質問した。
「あの子には会わなかった?」
徹志はどの子?と思い、伊織に聞いた。
「駅でてっちゃんにぶつかった子だよ。あの子も乗ってたみたいだから…。」
徹志は一瞬ドキリとし、疚しいことなど無いのに会ってないと【嘘】をついてしまった。
伊織は、徹志の言葉を信じその後は普段通り会話をした。
喫煙所にいくと、叔父さんが電話をしていた。
「はっはっはっは!そりゃ傑作だ…。お前んとこの……」
何やら楽しそうに話しているので、徹志は喫煙所を後にした。
軽くフードを買ってバスに戻ると、叔父さんと他の乗客は既に乗っていた。
「すいません…。お待たせしました。」
徹志はバツが悪そうに席に着いた。
「皆さん揃いました様ですので、出発いたします。」
そして、バスは再び出発した。
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