はじめに

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7月30日 高校生になって初めての夏休みは、今までと同じように、朝から晩まで3人で遊んでばっかりだった。 そんなある日の夜… ガシャーンッ…ガラガラガラ…ドカーンッ… 突然聞こえた大きな音に3人は一斉に跳び起きた。 「何!?なんの音っ!!?」 「…食堂の方から聞こえてきたよな…」 「…行ってみようぜ!」 怖がる結衣を無理矢理引っ張り、食堂へ向かった。 食堂に近付くにつれて、音は大きくなり、同時に男の怒鳴り声も聞こえてきた。 食堂を覗いてみると…僕達が施設に入った時からずっとお世話になっている星野先生が、不良3人に囲まれていたのだ! 「はやく1000万返せって言ってんだろっ!!」 「そんな…私は100万円しか借りてないです…」 「…じゃあ1ヶ月後までに用意 しろ。もし用意出来なかったらこの施設にいるガキ共を全員殺す。いいなっ!」 「子供達にはっ…」 バリーンッ… 不良はガラスを割って出ていった。 僕達は直ぐさま先生に駆け寄り、声をかけた。 先生は一晩中泣き続けた…
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