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長く感じる6年間の小学校生活も終わりが見えてきた。
あたしたちは小学5年生になった。
「朱音。俺、お前の事好きやわ。」
少し夕焼けがかった公園。
そこにまだ幼さを残す小さな影が2つあった。
驚きで俯いていた顔をあげると
そこには、毎日のように会っている幼馴染み、
中山武の姿があった。
『武...』
ぼそっとそう呟くと
視界が暗くなった。
とっさの事に頭がついていかなかったが
しばらくしてから抱き締められていると言うことを知った
「朱音は俺が守るから、俺と付き合ってください。」
まさか、幼馴染みの武から
そんな言葉を聞くとは思わなかったので少し驚いたが
『あ...うん。いいよ』
気付いたらそう返事していた。
好き?
武はそんなんじゃない。
ただの幼馴染み。
だけど、告白を断ったら
武とこの先幼馴染みでいれないかもしれない。
そう思ったんだ...。
そして、
あたしは初恋の前に初彼が出来た。
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