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『んじゃ、またねー』
塾が終わったのであたしは即、帰ろうとした。
「朱音っ!」
振り向いたら涼太の姿。
珍しい...
涼太があたしのとこに来るのはいつも雅樹に無理矢理...
という感じがしていた。
『んー?』
「えーっと...」
涼太は恥ずかしそうに下をむいたが、すぐにあたしの方に向き直り
「誕生日おめでと。これ、俺と雅樹から。」
そういって渡されたのは、オレンジのミサンガだった。
そういえば今日、誕生日だった。
今年の誕生日はテストと被っていて誰にも祝ってもらっていなくて自分ですら忘れてたんだ
「俺が緑で雅樹が青なんやけど、いややなかったらつけてほしい...」
そう話す涼太の顔は真っ赤で、
でも、その笑顔は柔らかくきれいだった。
『ありがとっ!!めっちゃ嬉しい!!』
「それから...」
そういって涼太は
もうひとつのピンクのちいさな袋を取り出した。
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