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先月(1月末)祖母が亡くなった。
死に目に会えなくて、突然いなくなった存在に頭で理解はしても心は追いつかなくて……
だけどあれから、普段の生活の中で何度も、何度も思い出しては喪失感に打ちのめされている。
祖母は愛情をひけらかすタイプではなかったから、特別可愛がられた記憶もない。
だけど、私にとって存在は大きかったのだろう。
実のとこ、それがなぜなのか分からない。
ただ祖母の家は私達にとって、安息の場だった。
私達とは、子供の頃の自分と兄と従姉妹達のコト――
盆と正月は祖母の家の客間が子供の城になっていた。
大人に嫌悪感を抱き、素直になれない私達が作った砦を、祖母は一切干渉しなかった。
優しい言葉をかけられた訳でも、庇われた訳でもない。
ただ、何も言わないでくれたコトが嬉しかった。
その安息の場を与えてくれた祖母は、いなくなってしまった。
親達には理解出来ないだろう。孫達の方が祖母を大切に想った気持ちを――
祖母が亡くなる数日前『寂しい』と泣きついたのに、独りぼっちにさせたコト。
祖母をたった独りで逝かせたコト。
私は未だ許せないでいる。
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