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「……は?」
なんだよこれ?たった数分で何が起きたんだよ?
俺が呆然と立ち尽くしていると、後ろから耳をつんざく程の衝撃音が響く。
俺が振り返ると、そこには見覚えのある物が、、、
「あれ…確か家にあった冷蔵庫だよな?」
冷蔵庫だけではない。後ろの方で無惨に壊れて散らばっている家具家電、全てが俺の家にあったやつだ…。
少し時間差で、自分を避ける様に回りにはアパートの破片やら一階で見た物が空から降って、地面に叩きつけられていく。
「ま、待てよ…」
飛んで行った物が今更ここに降って来たって事は、、、
馬鹿な俺でも予想できる最悪なシナリオが脳裏に浮かぶ。
「警察官…落ちて…来るよ…な…」
俺は無意識に声を震わせた。おいおい…俺の家にあった家具も家電もスッゲー高さから落ちて来たんだぞ?点にすら見えない程の高さから落ちて来たんだぞ?
もしそれが、人間だったら…
「.....ぁぁぁぁぁぁぁぁぁ」
真上から聞き覚えのある声がする。
落ちてくる…あの警察官!落ちて来るぞ!!
「ぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁあああああああああ」
少しずつ警察官の叫び声が俺の耳に入る。
やめろ、、、やめてくれ、、、それはやめてくれ!!
「ああああああ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!!」
何で俺が警察官の自殺を見なくちゃいけねぇんだ、、、数分前までは普段通りだったのに、、、
「誰でもいい、、、誰でもいいから助けてくれ…」
「あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!!」
だが、そんな都合良く助けに来る奴はいない。
じゃあ、どうする?このまま見捨てる?俺は冷徹な人間じゃない。
なら助けるか?それは無理だ。あんな高さから落ちて来る人間をキャッチ出来る訳がない。
ならどうする?
どうすればいい?
どうすれば―――
「クッソォオオオオオオオオオオオオ!!!」
俺は無意識に走っていた、、、警察官が落ちると思われる場所に、、、何も出来る訳がない、、、自分が危なくなるだけだ、、、それでも俺は、、、
走っていた。
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