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おさらい、俺の家が吹っ飛ぶ。警察官が紐なしバンジーから見事に生還。ドクロのブレスレットを貰った瞬間、俺タイーホ。はい、おさらい終了。
そして現在、デカイ机とパイプ椅子二つしかない、明らかに職務質問するよーって感じの部屋に俺、到着。
「座れ」
俺を連行する二人の警察官の内の一人が俺にパイプ椅子に座る様、命令する。
「手前に座るな。奥に座れ」
扉から近い方に座ったら警察官に怒られちゃいますた。そんな訳で俺は奥の方にあるパイプ椅子に座り直した。
パイプ椅子に座ったはいいが…なんだか落ち着かないな。俺は開口一番に二人の警察官に話しかける。
「ねぇ?いい加減、二人して拳銃突き付けるのやめてくれない?俺、手錠付けてられてるやん」
「「…」」
二人して俺をシカト。今の心境を玩具に例えると、黒ひげ危機一髪の黒ひげになった気分。
ごめんよ黒ひげ…。君も今の俺みたいにハラハラドキドキしていたんだね。これからは、これでもかってくらいに優しさを込めて剣を刺すよ。最後の穴以外、全部に剣をブッ刺す真似は二度としない。
俺が己の罪を黒ひげに懺悔しているとお腹が鳴った。
そういえば俺、卵かけご飯一口しか食ってねぇや。スゲー腹減ったな…。
「すいません。早くカツ丼の出前を取ってこいや税金泥棒共」
実は俺、警察官の命令口調にイラッ☆っとしてた。腹が減ったので職務質問には定番のカツ丼を催促する。
「…ちょっと待ってろ」
そう言うと、警察官は無線を使って連絡を取る。
すると、一分も経たない内に違う警察官の一人が部屋に入って来て、目の前の机に何かを置いた。そして、何事も無かった様に颯爽と部屋から出ていった。
「食え」
部屋に残っている警察官がまた命令口調で俺に言う。出されたのはカツ丼ではなく、コンビニで買ってきたっぽいノリ弁。なんか想像と違う…。
期待を裏切られた感覚に陥りながらも、俺はノリ弁が入った容器に手を触れる。
ぬるい。これ絶対、誰かが残したノリ弁だろ。「俺っち食欲ねぇわ~」って感じで、御蔵入りしたノリ弁だろ。責めてレンジでチンしろよ。
ここで俺の鶴の一声。
「お茶持って来い。真の社会のクズ共」
相手が警察だろうが怖くないお、拳銃突き付けられても怖くないお、だって僕ちん馬鹿だもん。
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