生まれ変わったら

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生まれ変わったならば また会えるといいな そう思いながら 死んでいった僕 気がつくと、そこは 真っ暗な部屋 何も聞こえない 何も見えない 一人で震えていた そして天井をみれば大きな穴 よく見るとそこには巨大なゼンマイ そこから聞こえた不気味な声   「罪深き少年よ    お前はこの先永遠に     この部屋からはでられぬ」 と言った そしてその瞬間、弾けたように思い出した 自らが重ねた罪の数 愛する姉の為に、重ねた罪 そして、愛する女性を殺してしまった事… すべて、思い出したのだ 全部、全部… 気づけば、手には赤い手錠 それはきっとだれかの流した血の色 そして、足首には青い鎖 それはきっと誰かの涙の色――… 「るりらるりら」と聞こえる歌 誰が歌う子守唄なのだろうか――…? もうきっと、あの頃には戻れない そう思い泣きながら、僕はそれをただ聞いていた .
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