-★-

16/20
前へ
/66ページ
次へ
暫くしてユチョンが風呂場から出て来たのが気配で解った。 ソファーの背凭れ越しに振り返れば優しい笑顔とぶつかる。 「チャミも入ったら?風邪ひくよ。」 言われるまま入れ替わりに風呂場に向かう。 洗濯機の中の服に視線を落とす。 前に僕が『好き』って言った服。 わざわざそれを選んでくれたんなら嬉しい。 洗濯機に手を突っ込んで黒いシャツを取る。 甘い香水に混じってほんのり汐の香りがした。 「…?」 微かにだけど湿り気を感じて右手を見る。 「…ワイン?」 手がうっすらと葡萄色に染まった。 早く洗わないとシミになってしまう。 急いでユチョンの服を洗濯機に投げ込むとスイッチを押した。 .
/66ページ

最初のコメントを投稿しよう!

183人が本棚に入れています
本棚に追加