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暫くしてユチョンが風呂場から出て来たのが気配で解った。
ソファーの背凭れ越しに振り返れば優しい笑顔とぶつかる。
「チャミも入ったら?風邪ひくよ。」
言われるまま入れ替わりに風呂場に向かう。
洗濯機の中の服に視線を落とす。
前に僕が『好き』って言った服。
わざわざそれを選んでくれたんなら嬉しい。
洗濯機に手を突っ込んで黒いシャツを取る。
甘い香水に混じってほんのり汐の香りがした。
「…?」
微かにだけど湿り気を感じて右手を見る。
「…ワイン?」
手がうっすらと葡萄色に染まった。
早く洗わないとシミになってしまう。
急いでユチョンの服を洗濯機に投げ込むとスイッチを押した。
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