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クラスメートのはずなのに、話したこともなかったこの人と会話をするようになったのは、西条が来てから。
勿論、会話というよりも暴言を吐かれたりする感じなんだけど。
「てめぇ最近やっと里久から離れたと思ったのに、また近付きやがって…。」
威嚇するような口調で攻め立てるクラスメート。
彼の中で悪いのはやっぱり俺で、西条に非は何一つないと思っている。
西条の話を聞いた後だからか、もういろんなことを諦めているからなのか。
今までより、落ち着いて彼の話を耳に入れていた。
この後の展開なんて結構ワンパターンで、俺が反論しても、何も言わなくても、最終地点は同じだ。
いろいろ面倒だと思うけど、西条に見せてやる的なことを言った俺としては、今日の選択肢はこっち。
「別に俺から近付いたわけじゃない。」
「あ〝?んだと?」
反論されたことに対してか、内容に対してか、不快だと顔をに出して更に俺に詰め寄るクラスメート。
逃げ出したいそれをまっすぐに見つめて、俺は続けた。
「見てたんなら、分かるだろ?西条から、俺に、話しかけてきたの。」
一語一語をはっきりと言う。理解してないはずないだろう、と。
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