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「……はぁ」
ため息をついて、ボクは流れていく景色に目を落とした。
ボクは多田野 百合(タダノ ユリ)。今年で15になった、割と普通の女の子。強いて違いを挙げるなら、今日から帰る家が無い、ってことかな。
そうなのだ。ボクは世間一般で言う家出少女。母親は海外に仕事に出ていて、父親と二人暮らし。それに嫌気がさして家を出た。
だって……ねぇ?自分の父親がツインテールのギター持った女の子の抱き枕抱いて、「ハァハァ可愛いよペロペロ」なんて言ってたら……逃げ出したくなるよね、普通。「お父さんなんて……大っ嫌い!」の言葉付きで。
そこまでは良くないけど、趣味は人それぞれだし良いとしよう。でもね、床に白く、カピカピになったボクの隠し撮り(着替え中)写真まであったんだ。
もうあの家には帰ってあげない。絶対に。
とりあえずテントと生活用具一式、家の貯金と通帳も持ってきたから生きる分には平気だろう。
幸い隣町にセキュリティー万全の魔法公園があったから、そこに住むことにした。
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