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春、桜の雨が降り注ぐ中迎えた新学期。
ここ私立貝鈴学園では本日、新入生達の入学式が執り行われていた。
現在は学園の大型体育館で入学式の最中なのだが…
「貝鈴のカラスさんよぉ~! いつぞやの借りを倍返しに来てやったぜ~ さっさと出てこいやぁ~!!」
見るからに柄の悪そうな不良達の軍勢が校門前に群がっている、その数約20名…
「おいおい、今日は入学式だぜ わざわざこんな日に団体様で押しかけて来なくてもなぁ~」
ワクワクした表情で学園の第二校舎五階から窓の外を眺め、ツンツン頭の青年が嬉しそうに呟いた。
「仕方ねぇ! 暇つぶしにこの鷹菱朝斗(タカビシアサト)様があいつらをギャフン!とか 阿部氏っ!! とか言わせてやんぜっ!!…」
「貝鈴風紀員でもない朝斗が許可無く戦闘しようというのなら、その時は…私が止めるからな? …力ずくで…」
青年の隣に立つ女子生徒はキリッとした目つきで朝斗と自己紹介した男子学生を睨み付けた。
「それに、どうやら朝斗の助けは必要無いみたいだぞ…」
「ありゃ! 来るの早過ぎだぜ、もう少し待っててくれりゃ俺の獲物だったのににゃ~」
校門に向かい1人の男子生徒が歩み寄る。
「…たかがごろつき20人、『貝鈴の鴉』様にゃ 朝飯昼飯夕飯前だにゃ~!」
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