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話をする俺と朝斗の隣では、すでに後片付けが始まっていた。
応援に駆け付けた貝鈴学園風紀員のメンバー達が調子に乗り過ぎてしまった不良達の成れの果てを掃除中だ。
「鮮やかですね時夜さん!! お疲れ様です!!」
「圧倒的っす! 無双マジ格好良かったっす時夜さん!!」
後から来た風紀員の仲間が近付いてきてわざわざ俺の前で立ち止まり挨拶をしてから作業に加わる。
圧倒的か、風紀と己を守るためとはいえ暴力であることに変わりはないんだがな…
「風紀員メンバーからの絶対の信頼 大した人気だ!」
「人気じゃないさ… ただ、恐れているだけだろ、他の生徒達と同じようにな……」
俺は朝斗の言葉を受け流してその隣を抜けて行こうとする。
「おいおい、どこ行くんだよ」
「どこって…帰るんだが? 2分前に今日の仕事は片付いたからな… 俺は、臨時の助っ人だし 後は本職に任せるさ…」
俺は正規の貝鈴風紀員ではない。
ある事情で貝鈴学園生徒会長の命令に従っていたまでだ。
彼女の出した特例で俺には風紀員紛いの行為が許されているしな…
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