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僕は震える声で言った。
「成宮澪です。これからよろしくお願いします。」
頭を下げて、僕は叔父さんを見た。目が大丈夫と言っている。
「成宮の席は吉野の隣だ。」
担任の池内先生が教えてくれた。僕が席に行こうとすると、叔父さんが僕の耳元で小さく言った。
「具合が悪くなったら遠慮せずに電話しろ。いつでも理事長室に来ていいし、保健の先生にもちゃんと言ってあるから、保健室に行けよ。」
僕は頷いて、席へ向かった。隣の吉野君がすぐに話しかけてくれた。
「俺は吉野拓。拓って呼んで。澪って呼んでいいか?」
僕は頷いて、微笑んだ。叔父さんから微笑んだら苛められることはないって言われたから。
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