始まりはいつも突然

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話はだいたい2月の中旬頃まで遡る。 俺は休日、高校への進路も決まり、受験勉強と地獄から抜け出した開放感を胸に屋根裏にある自分の部屋でごろごろしながら漫画を読んでいる。 「隼くん!お客さんが来てるよ!」 下から佳奈美(カナミ)に呼ばれたので読んでいた(せっかく良いところだったのに)漫画を置き下に向かった。 そう言えば自己紹介がまだだったな。 俺の名前は神崎 隼。 何処にでも居るような普通の学生である。 まぁ普通とはちょっと違う能力や何やら有るがそれは追々話すさ。 因みに俺にはもう血のつながった家族は居ない。 俺が小学生の頃、研究者だった両親は研究の為海外に行くときに飛行機事故にあい帰らぬ人となった。 当時身よりの無かった俺を父さんの仲間で家の近所に住んでた河西 賢治(カサイ ケンジ)さんが引き取ってくれて今まで育ててもらった。 こんな俺を引き取り家族のように扱ってくれた賢治さんにはいつか恩返しをしなきゃな。 と、まぁ俺の紹介はこんなんでいいだろ。 「ちょっと隼くん。何独りで喋ってるの?」 階段を降りて下につくと佳奈美が階段の前で待っていた。
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