2人が本棚に入れています
本棚に追加
「あぁ 読者の皆さんに自己紹介をしてただけだよ」
「？ まぁいいや。それより玄関でお客さんが待ってるから早く行きなよ」
佳奈美は意味不明みたいな顔をしながらそう言い残すとさっさと居間の方に行ってしまった。
今の少女は河西 佳奈美。
賢治さんの娘で俺の2つ下の幼なじみだ。
普段から腰まで伸びた茶髪を後ろで纏めていて、身長が少し低く、客観的に見ても美少女の部類に入ると思う。
さらに、文武両道で、家事は完璧。
礼儀正しく、おまけに面倒見もとても良い。
まさに、完璧美少女と言っても過言では無いぐらいに出来過ぎた幼なじみである。
これだけ言うと「何処のエロゲの主人公だよ！」「リア充爆死しろ！」とか思われるかも知れないが、安心してくれ。現実はそう甘くはない。
佳奈美にはちゃんと彼氏が居るし、俺のことは本当にただの幼なじみとしか思われていない。
全く現実は漫画やゲームみたいに行かないものだの。
(せめてお兄ちゃんとぐらいは呼ばれたいものだがな・・・)
さて、これ以上客人を待たせるのなんだしそろそろ話を進めようか。
俺が玄関に着くとそこには黒のスーツ姿で黒のサングラスをしたまるでマト○ックスに出てきそうな男が立っていた。
「あなたが神崎 隼様ですか？」
「はい。そうですけど、あなたは？」
「申し遅れました。私はこうゆう者です」
黒ずくめの男はそう言うと胸ポケットから何かを取り出して俺に渡してきた。
最初のコメントを投稿しよう！