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しかし現実はそう甘くはなかった。
俺が混乱してるのをいい事に音無さんはぱっぱと説明を始めた。
「急な申し出で驚かれてると思いますがこれは既に決定事項なので隼様には拒否権は御座いません。また、入学金や入寮などは此方で済ましておきます。詳しいことは明日、学生服と一緒に資料を送りますのでそちらで御確認下さい。では、4月にまたお会い出来ることを心よりお待ちしています」
音無さんは説明し終えると話すことは終わった、みたいないな感じでそそくさと荷物(床に置いてあった漫画がゲームなど)を纏めて帰ろうとした。
正直ここで「実はドッキリでした!(笑)」みたいな感じで終わってくれれば笑って済ませられるんだが(まぁ 実際はブチギレルだろうが……)そうはいかないみたいなので音無さんを呼び止めてみる事にした。
「ちょっ、ちょっと待って下さい!」
音無さんは立ち止まって振り返るとため息混じりに聞いてきた。
「何ですか?」
「何で俺が魔法もまったく使えないのに魔法学院なんかに行かなきゃなんないんですか!?それに、俺はもう普通の高校に進学も決まってるんですよ!?」
音無さんはどうでも良さそうな顔で(まぁサングラス掛けてるからよくわからないが。つか何故かその顔ムカつく)説明してきた。
「高校の方は私達が処理しておくので問題有りません。貴方が我が校に行く理由は上の判断ですので私は知りません。……もう宜しいですか?」
「あ、はい…」
「では私はこれで失礼します」
音無さんは「もう話しかけるな!」みたいなオーラを放ちながらさっさと帰ってしまった。
俺は未だに状況が理解できず、ただ玄関に突っ立っていることしか出来なかった。
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