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赤い少女。
小学校の3、4年の事である。
その日は雨だった。
私は友達と2人で近所の男子の家に遊びに行く事になった。
最初は2人並んで男子の家に向かっていたのだが、何故か私は友達に先に行かれてしまい、1人で歩いていた。
たいした距離ではないし、私はのんびりした性格なのであまり気にせず歩いた。
その男子の家の途中に小さな坂がある。
坂を上ればすぐ家が見える。
坂の横には木や花等の植物が植えられていた。
その前を通った瞬間、視線の隅を赤い物が掠めた。
そちらを見ると真っ赤な着物を着たおかっぱの少女がいる。
明らかに近所の子供ではない。
どうしたらのだろうと私は足を止めた。
今日は祭りでも七五三でもない。
そして私はある事に気付いてしまった。
その少女は雨が降っているのにもかかわらず、傘をさしていない。
なのに全く濡れていなかった。
少女が微笑んだと思った時、少女の姿は消えていた。
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