名の無い絵画

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ガチャ………… 古そうなドアをゆっくりと開ける。 中は広く、部屋の両側には本がない本棚が並べられていた。 資料室の窓からは暖かい光りが射し込み、風で少しカーテンが揺れていた。 「なんだ…何もなかった……」 いや…あった…… ふと奥の方へ目をやった時 一気に私の心を奪われたものがそこで暖かい光りに照らされていた。 青い空。深緑の草原。真ん中に一本の木が描かれた一枚の絵。 誰が描いたのだろうか……… なぜだろうか………… この絵を見た瞬間、身動きが取れなくてしばらく絵を見つめていた。
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