41 柏木 瑞穂

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……誰? ……これは誰の記憶? ……違う……私の記憶。 目の前には靄が掛り、辺りを見回しても何も見えない。 しかし隣の手を繋いでいる男だけは、確かにそこに存在している様に感じた。 手を繋いでいる……お父さんを見上げる。 「お父さん。どこに行くの?」 その私の問いかけにお父さんは優しく笑うと、そっと私の頭を撫でる。 『お仕事だよ』 お父さんはそう言って私の頭を撫で続ける。 「……お仕事は……嫌だよ」 そう俯いて呟く私を見て、お父さんはまた優しく笑った。
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