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<開いた扉の先、背もたれのある椅子越しに右手をヒラヒラ動かしている
「大きな声を出さなくてもちゃんと聞いてるよ」
部屋の半分をインターネット関連の機器で埋めつくし、窓枠ほどあるモニター画面三つに映し出された仮初めの世界が見える
<彼の前には"ニケヤで買った"と言っていた重量感あるライトウッド色のテーブル
<その手元にはノート型PC。そして意味不明な文字の羅列が彼の指の動きに合わせてスクロールしている
「私の創作の邪魔しないでくれないか」
「では、ゆかり様にそのようにお伝えするといたしましょう」
「★!」
<金に黄緑の光沢した天然巻き毛をかき上げて振り向く主人に笑顔で応対
「お客様をお待たせして良いことなど一つもございません」
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