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<ゆかりの呟きには、気付かぬそぶりで、バトラーはその場を離れようとした
「バトラーのさん、お待ちになって」
「いかがなされましたか?」
「パジ様来ないんですもの、お話相手に成ってください」
<困りました、が、しょうがありませんね。の顔をして、一緒に来ていたメイド達には"他言無用"の目配せ
<ゆかりは、花冠と一緒に持って来ていた、薄桃色に花柄のデザインされた小さな風呂敷包みを取り出す
<テーブルの上で包みを開き、中から手に乗る程の黒い正方形した箱を取り上げた
<箱は漆塗りに蒔絵を施した高価な作りの物だった
<蓋を開いた
「小さな物だけど、とても強い力を持った石です」
<立ったまま除き見たバトラーは顔色を変えた
「これは……"隠者の石"ではありませんか!」
<虎目石に似ているが、どぎつい赤紫をしている
「流石ですわ!バトラーさんはご存知でしたのね」
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