第1章~目覚めと出会い~

5/22

62人が本棚に入れています
本棚に追加
/95ページ
獣人「ぐぅ…く…そぉ…」   奴隷商人達には、独特の技術と道具がある。それが彼女たちがつけられている首輪だ。   この首輪には、高圧電流で相手の体の自由を奪う装置である。もちろん、無理矢理にでも外す事は出来るだろう。しかし、当然の如く対策はされている。首輪の中には魔結晶…魔法の結晶が仕掛けられている。特殊な加工がされており、首輪を引きちぎると同時に爆発するようになっている。当然首は胴体とお別れをする事になるだろう。   奴隷商人「ヒヒヒ♪どうした?急に静かになりおって…面白くないのぉ♪」   彼女たちはこれからの事を考えると、すでに諦めかけていた。奴隷は当然売られる。売られた奴隷は必ず酷い扱いを受ける。   あるものは有力者の使用人以下の扱いをうけ、あるものは体を売る仕事をさせられ、あるものは死ぬまで辛い拷問にかけられる者もいる。次のは人としては最悪とも、奴隷としては最高とも言えるかもしれない。売られた瞬間、買ったばかりの剣の試し斬りで殺される者もしばしばいる。   奴隷商人「…さて…もう直ぐクレアドルの森だ♪ヒヒヒ♪…運が良ければ盗賊には出会わんだろう。……魔物とは出会うかもしれんがな。」   バジュラに引かれた奴隷商人の馬車は、森へと入っていった。   兵士「……隊長…何で奴隷商人がこんな所にいたんですかね?」   隊長「さぁな…だが、奴らを見ているとイライラする。…私は先に兵舎に戻る。お前たちも定時に戻れよ」   そう言うとこの部隊の隊長は町の兵舎へと消えていった。   兵士A「…な、なぁ…乗ってた奴隷たち…なかなか美人だったな?♪」   兵士B「お、おいよせ!!…だが…惜しいよな♪」   兵士C「へへへ♪だよな♪どうせみんな影では奴隷買いなんて普通にやってんだ…1人買ってどっかに飼い慣らしたらよかったぜ♪   などと口々にし、兵士たちは自分たちの欲求を言い合いながらも罪悪感を感じていた。   人の心とは弱いものだ。口では軽々しく言えるものの、内心では共感者がいないと口にもしない。もし周りが否定派なら、そちらに靡いてしまうだろう。   一方奴隷商人たちは…   奴隷商人「…ちぃ…来てるな。数は…ダメだ。多すぎる!!ハァ!!」   バジュラに繋いだ縄を叩き、足を速めさせた。   エルフ「あ…あれ何?」   魔人「…ハウリングドッグ…森の狩人たちだね…あたしら終わったみたい」  
/95ページ

最初のコメントを投稿しよう!

62人が本棚に入れています
本棚に追加