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ハウリングドッグ…世界各地の様々な場所に生息する低級の魔物である。強さは狼の少し上あたりだろう。しかし、群れでの狩りを得意とし、さらに特殊能力[ハウリング]を持っている。この技は、凄まじい威力の音波を口から放つ事ができ、名前の由来にもなっている。
奴隷商人「や、ヤバい!!マズいぞ!!クソ!!クソ!!クソ!!」
完全にパニックに陥っている。おそらく、本来通る道も分からなくなっているのだろう。どんどん深い森の方へと入っていく。
奴隷商人「し、しまった!!ここはどこだ!?」
案の定、道に迷っている。しかし、このチャンスをハウリングドッグが見逃すはずは無かった。
「ウォーン!!」
「ガァァァァ!!」
奴隷商「ヒィィィ!!もうダメだぁ!!」
馬車を残して1人走って逃げ出した。その時、獣人の奴隷が
獣人「…死んだな。ざまぁみろってんだ…」
まだ首輪の電流のせいで体が上手く動かせないため、苦しそうに呟いた。
エルフ「ど…どうゆうこと?」
エルフの幼女は恐る恐る獣人に問いかけた。質問している間にも、奴隷商人はどんどん離れていく。
獣人「…あいつらは…ずる賢いんだ…集団を狙うよりも、単体を狙う方が……確実に獲物を狩れる…からな」
エルフ「……ぅ…」
天使人「…その通りです」
魔人「フン…いい気味だね…」
「ぎぃやぁああぁあああ!!!!」
4人「…!!」
4人の暫くの沈黙を破ったのは奴隷商人と思われる何とも悲惨な悲鳴だった。
この時、誰もがこう思った。
「「「「次の獲物は私たちだ…」」」
彼女たちは思った。やはり奴隷となった時から、希望などは無かったのだ。ならいっそ、この境遇はラッキーなのかもしれない。一生使用人や娼婦のように生きるのならば、ここで奴らの餌となろう。そのほうが長く一生辛い道を歩くよりも、短い苦しみで早く死ねる。
願わくば……一瞬で逝けますように…
近づいてくる無数の足音と唸り声に、4人がそう願った。
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