第1章~目覚めと出会い~

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小川付近にて…   エリル「…声はこっちからか…」   偶然にも、奴隷商人はエリルがいる川近くに来ていた。   ガシュ ボキュ ブチブチ!!   木の向こうからひたすら嫌な音がする。肉の千切れる音、骨が砕ける音…エリルはゆっくりと剣の持ち手を握りしめた。   「グルルルル…ォオーーン!!」   エリル「!!!!!!!!!」   気付かれた!?……違う。離れていく。…別の獲物がいるのか? エリルは木の脇から身を乗り出し、何があったのかを確認した。 エリル「…グ…酷いな…」   そこには人であった゛物゛が散乱していた。   エリル「…どうせなら綺麗に処理してけよな…」   あれ?発想が違う?気にしない!!   エリル「…そんな場合じゃねぇな…多分、こいつの仲間かなんかが襲われてるな…面倒だけど、行くしかないかぁ…」   溜め息をつきながら、獣達が走って行った方向に走り出す。   「「「「キャァァァァァ!!」」」」   複数の女性の悲鳴が聞こえた。   エリル「…チ!!」   悲鳴を聞いて自然と足が早まった。   エルフ「ここか!!」   馬車に牢屋のような荷車がつけられており、その中に複数の女性が入れられていた。その周りには、さっきの人を喰い殺した獣達が囲んでいた。女性達はエリルが来た事に気付いていないようだ。   エリル「…いや、ムリっす。」  エリルは早々に諦めた。こっちは1人、向こうは10~15匹はいるだろう。勝ち目は無いのは目に見えている。   エリル「…はぁ…気分は悪いが、見捨てる他ないな。……ハァ」   エリルが現場に背を向け、ゆっくり離れようとしたその時、   「アナタは目の前の命を見捨てるのデスカ?」   エリル「!?!?!?」   突然聞こえた声に振り返る。   エリル「…誰もいない?……気のせいか…?」   再び歩き出そうとした瞬間、剣の真ん中にある緑色の透明な宝石が光り出す。   エリル「なんだ…これは!?」   エリルは焦っている。何がおこるか待つか、剣を捨てて逃げるか…だがエリルは前者を選んだ。   エリル「…文字が浮かんでくる?」   宝石の中に文字が浮かぶ   [Ω]   エリル「何なんだよ…」 「今一度問ウ…アナタは目の前の命を見捨てるのデスカ?」   再び声が聞こえた。頭に直接声が送られてくるみたいだ。さらに言うと、この奇妙な剣から。
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