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エリル「…オレは見捨てる。勝ち目がまるで無いからな。」
「力がナイから見捨てるのデスカ?」
エリル「…そうだな。…例え力があっても、相手の数が違いすぎる。それよりお前はだれだ!?」
エリルは少し強めに質問をぶつけた。
「…現在その質問には回答しかねます。デスガ、現状を打破する事は可能デス」
エリル「バカな…あの数を相手に出来るのかよ?」
「ハイ」
声は即答した。あまりにも早く返事が帰ってきたので、少し腹が立った。
エリル「じゃあやってみな?だが、オレはやらねぇからな!!」
声は暫く帰って来なかった。やっぱり助ける事なんができやしな…
「対象の了承が得ました。Vドライブ発動。」
エリル「なんだ!?…グア!!」
いきなり体の自由がきかなくなった。まるで全身をなにかが這うような感覚に陥っている。
「…リンク完了。それでは、アナタの体のコントロールは暫く預からせて頂きます。」
エリル「ハァ!?何をいってんだ!!」
実際にエリルは一切体を自分の意志で動かす事が出来なかった。その代わり、声の主が体を動かしている。
「…身体状況は良好。リンクは85%に固定。では、行きます。」
エリル「…マジかよ!?」
エリル[Ω]は振り返り、獣達へと跳躍した。
「ガルル!?」
「グガガ!?」
一匹を踏み潰したエリル[Ω]は、腰の剣を引き抜いた。
エリル[Ω]「…天龍…【鉛】」
そう呟くと、天龍【鉛】と呼ばれた剣をハウリングドッグに振り下ろした。
「ギガァァ!?」
頭を真っ二つにされたハウリングドッグはゆっくりとその場に倒れた。
他のハウリングドッグ達は暫く動けなかったが、直ぐに体制を立て直した。
「グガァァァ!!」
あっという間にエリル[Ω]の周りを囲まれた。しかし、エリル[Ω]は落ち着いていた。
エリル[Ω]「…APガンに低速弾を装填…」
2本ある持ち手の上部分の付け根には、リボルバー弾倉が装着されている。中には弾が入っており、弾倉を回すためにハンマーと呼ばれる弾を発射させる為の撃鉄を起こした。
ガチャリと重たい音を響かせ、ハウリングドッグに向けた。
エリル[Ω]「…全滅開始」
持ち手の根元にあるトリガーを引き絞る。
同時に
ズガン!!ズガン!!ズガン!!ズガン!!
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