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???「フ…海陽国リンドブルムか…容易いものだな」
深紅の鎧を身にまとった男は、焼け落ちる都市を見下ろしながらニヤリと笑う。
兵士「提督、例の親子が見つかりません!」
鎧の男に駆け寄り、兵士らしき男は報告を済ませた。
???「なんだと!?この役立たず共め!!……まあよい。どのみちあの傷と火傷では生きられまい。撤収だ!!」
謎の男は他の兵士達に撤退命令を出し、至る所から兵士達は都市を離れてゆく。
???「フフフ…これで貴様らも終わりだ。今日この日…一つの国が滅ぶ…クククク…ハハハハハハハ!!」
崩壊し、燃えゆく都市の中に何人かの人影が動く。
ダルパ「博士…ここもダメです…殺されています。」
リーファイ「…なんて事だ…ダルパよ。研究所へ急ぐのだ!!」
リーファイと言う博士と助手のダルパは、生存者を探していた。しかし、崩壊しかけている中ではおもうようには動けない。
ダルパ「グググ!…ハァ…ここも開かない…後は軍用重戦機の格納庫前の道だけです!!」
リーファイ「あそこか…自ら激戦があった場所へ行かねばならぬとは…」
どうやらこれから向かう場所は激戦区のようだ。
目的地までは距離があり、通れる道を探しながら生存者を捜索していた。
リーファイ「女子供まで…敵はお目こぼしもしないようだ。ダルパ!!時間がない。…仕方ないが、研究所へ急ごう。」
ダルパ「しかし!!…分かりました。」
2人は激戦区だった場所へ急いだ。しかし、そこには惨劇の光景が映し出されていた。
ダルパ「う!…こ、これは…酷い…」
リーファイ「…すまん…同志達よ…」
横たわる死体…肉塊と呼ぶ方がふさわしいと思うくらいに悲惨な状態だった。その光景に足を取られていると、反対側の通路から人影がこちらに向かって歩いて来るのが見えた。
リーファイ「そこにいるのは何者だ!!」
リーファイは腰に携えたサーベルを引き抜き、相手に向ける。
ゲイル「…リーファイ殿か…私だ…ゲイル・バークライトだ。」
リーファイ「まさか…生きておられましたか!!」
ゲイル・バークライト…海陽国リンドブルム第4代国王である。リンドブルムで初の平民の出の王である。
ゲイル「うむ…皆より先には逝けぬからな。…それよりも…グゥ!!」
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