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そう言うとエリルは台座に天龍をはめ込んだ。
ヴィクセン「……インサート完了。凍結中のメモリを解凍。………」
ヴィクセンが何やら呟くと、天龍の中央にある宝石のような玉が光り始めた。
ヴィクセン「人格構成のアップロード、並びに吸収を開始…………完了。テンリュウのバリエーション・チェンジシステムをダウンロード。並びにコアデータの一部を解放。エリル、天龍の第1グリップを掴んでクダサイ」
エリル「第1グリップ?……これか。」
トリガーがある上側のグリップを握る。その瞬間、エリルに電流のようなものが走る
エリル「な!?がぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!?」
次々と頭の中に映像や言葉が溢れてくる。ヴィクセンは、この施設にあった知識をエリルの頭に直接流し込んだ。
ヴィクセン「心配有りません。現在この施設のデータ…知識をエリルの脳内にある………に記憶させています。」
エリルはほぼ錯乱状態に陥っていて、ヴィクセンの言葉はちゃんと聞こえてはいなかった。
エリル「ああああああ!!や……やめ…ろぉぉぉ!!」
ヴィクセン「それは出来ません。……では、この作業が終われば2つだけ言うことを聞きましょう。ですから、あと少しの辛抱です。」
電流のように激しく流れる記憶に、エリルは辛うじで耐えていた。
エリル「ぐぅぅぅ!!……はぁ……はぁ……はぁ……はぁ……」
数十分の激痛を耐え、エリルは疲労困憊していた。
ヴィクセン「データの移行を完了。よく頑張りました。これで現在ない記憶の補助ができるはずです。」
やはりヴィクセンの言っている事はこれっぽっちも……
エリル「…な……なるほど…これがお前が入れた……“知識”か……」
理解できたよ。すげぇな……
ヴィクセン「当然です。しかし、このデータは約700年前のデータですので、現在の知識を入れた訳では有りません。」
エリル「………意味無くね?」
ヴィクセン「無意味ならばこんな事は致しません。貴方には私の言葉を理解して貰わなければなりません」
なかなか身勝手な奴だ。しかも何故か言葉がキッチリ喋れているし、若干刺々しい言い回しになっている気がする。
エリル「…何で急にまともに喋れてるんだ?」
ヴィクセン「この施設の人口知能に搭載されていた人格をダウンロードしました。」
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