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リーファイ「ゲイル様!!どうなされた!?…こ、この傷は…」
ゲイル「なに、少々手こずってな。私も歳をとったものだ…」
リーファイがゲイルの背中を見ると、肩から腰にかけてざっくりと斬られている。
リーファイ「今すぐ治療を…」
ゲイル「いらぬ!!」
リーファイの言葉を遮るように声を張る。
ゲイル「…リーファイ殿らは研究所へ向かうのだな?」
リーファイ「は、はい。あそこならまだ機能していると思われますので……?ゲイル様、その赤子は?」
ゲイル「…こやつは…私の宝…最後の希望だ。…例の装置に賭けようと思う。」
ゲイルは脇に抱えていた赤子を胸の前で大事そうに抱きしめる。
リーファイ「あ、あの装置ですか!?…いえ、この状況では何も言いますまい。ゲイル様、歩けますかな?」
ゲイル「私を誰だと思っている?鉄壁の守護者の2つ名は伊達ではない!!」
ゲイルは無理矢理立ち上がり、前へと進む。
リーファイ「…こちらです!!ダルパ、先導しろ!!」
ダルパ「分かりました!こちらです!!」
ダルパ、リーファイ、ゲイルの順で研究所へ向かう。しばらく歩き、仲間の屍を踏み越え、研究所の扉まで辿り着いた。
ダルパ「…よし、電源は生きている!ゲートを開きます!」
黄色い警告ランプが光り、扉がゆっくり開いていく。
ゲイル「…む!?いかん…重戦機が暴走している!!」
重戦機とは、リンドブルムが持てる技術の全てを投じて独自開発した重装甲戦術機兵の略名である。
リーファイ「ウルフタイプだ!!こ、ここまでか…」
重戦機はすでにこちらに気づいており、じりじりと距離を詰めてきている。しかし、扉はまだ人が通れる程にも開いていない。
ダルパ「…リーファイ博士!!ゲイル様!!…私が相手をします!」
リーファイ「まてダルパよ!!我等の武器では勝てん!!」
ダルパ「…もうすぐ人が通れるサイズまで扉が開きます。…行ってください。ゲイル様…最後に会えて良かったです。では…」
リーファイ「ま…まて、まつんだ!!」
ゲイル「行かせてやれ…」
リーファイ「相手は重戦機ですぞ!?勝てるわけがない!!」
ゲイル「…男には…やらねばならぬ時がある。あやつは死に場所を見定めたのだ。」
リーファイ「…ゲイル様…扉へ!!もう通れます!!」
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