第1章~目覚めと出会い~

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周りを見渡してみたが、当然の如く誰もいない。   エリル「…オレかぁ…」   最上級のため息を吐き出し、ガックリとうなだれる。   盗賊B「お゛?どうやらごうさんらしいだぁ♪」   エリル「…れは………だ」   ボソボソっと呟いたため、相手には聞こえなかったようだ。   盗賊A「あ~?聞こえねえぞ?おねだりならもっと大きな声でいいな!!♪」   プチ   あ、キレた   エリル「オレは女じゃねぇぇぇぇぇ!!!!」   ふぅ。力いっぱい叫んだ。   盗賊達は唖然としていたが、すぐにこうきりかえしてきた。   盗賊A「ち…男かよ……だが…」   盗賊B「…か…かわいかったら…い、いいんだな゛~♪」   あ~なるほど。そっちもありなのね。   エリル「…あちゃー…だが、ここで大人しくオレのケツは渡せねぇな?」   当然だがね!!   強気なエリルだが、あまり勝てる気がしなかった。何故か体が重く、動きがぎこちない。その現象に自分なりに結論をつけた。   エリル「……寝起き効果か!?」  ………そこかよ!?   と自分の心の中でツっこんだ。   盗賊A「ゴチャゴチャうぜぇ!!黙ってオレらに犯られろ!!」   盗賊B「ぐへ、ぐへへ!!えへへへへ!!」   意外にも移動速度が速い。どうやら多少は戦いなれているようだ。腰帯に差していた手斧を片手に、距離を縮めてくる。   エリル「マジかよ!?クソッタレ!!」   さっき手に入れた剣らしき武器を鞘から引き抜いた。   盗賊A「なんだその剣は!!ハハ!!オレらの敵じゃねぇ!!」   盗賊達は遠慮なく斬りつけてくる。手斧と言えど、斧は斧。威力は伊達じゃなく、剣で防ぐのが精一杯だ。   エリル「てめぇら卑怯だな!?」  盗賊B「え゛へへ♪卑怯はだいずぎだぁ♪」   盗賊達の波状攻撃で押され気味のエリル。   あれ?そういやオレ……戦った事、あんの?   エリル「……こうなりゃ…あ!!あれはなんだ!?」   うん。実に古い手だ。かかるわけ…   盗賊A&B「「ぅえ!?」」   見事に引っ掛かりました。有り難うございます。   エリル「チャンス!!」   全力で森を走る。後ろは振り向かず、ただただ走る。   盗賊A「…なんもいねぇじゃ……あり?」   盗賊B「あでぇ~?いねぇだぁ~…」   盗賊達は呆気に取られて、しばらく動けなかった。   盗賊A「…クソ!!…仕方ねぇ。諦めるか…」  
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