第1章~目覚めと出会い~

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1時間前。街道にて……   人間の兵士「止まれ。通行書と積み荷、乗っている者の顔を見せろ」   数人の兵士が馬車を止める   奴隷商人「これはこれは!マテリアル・ロームの勇ましき兵士様ではありませんか!♪」   兵士はこの商人から独特の嫌な印象を受けた。恐らく闇市の者か、或いは……   兵士「…通行書は本物だ。次は積み荷と…やはり。貴様は卑しい奴隷商人か。」   奴隷商人「えぇえぇ!そうですとも♪どうです?あなた達も1人くらい…」   商人が最後まで言い終わる前に兵士が言葉を挟む。 兵士「えぇい!我が大国は奴隷など取らん!!さっさと行くがいい!!」   苛立ちを隠しきれない兵士は、ついに大声を張り上げた。しかし、商人は悪びれた顔一つせず、気持ちの悪い笑顔で馬車に乗る。   奴隷商人「えぇえぇ!そうですか♪構いませんよ♪では、失礼致します。ヒヒヒ♪」   馬車には4人の女奴隷が乗っていた。1人は獣人の国ランド・ル・ゴード戦小国の女性。歳は20代だろう。元は戦士だったらしくしなやかな筋肉と、犬のような耳と尻尾が目立つ。   次の1人はエルフの国エル・ルージュ森国の少女。歳は15~6くらいだが、エルフは長寿で成長も遅い。だから実際の歳は全く分からない。まぁ、どう見てもザ・幼女だ。   次の1人は天使人の国パルディア・ガーデン浮国の女性。歳は20後半ぐらいだろう。落ち着いた大人の女性の雰囲気を漂わせている。   最後の1人は魔人の国ロウル・カーパス皇国の少女。魔人もエルフと同じく長寿で、実際の歳は分からないが…エルフの幼女よりは幾分歳は上のようだ。   ゆっくりと馬車が出発する。馬車といっても、馬が引いている訳ではない。バジュラと呼ばれる二足歩行の恐竜のような生物が引いている。性格は荒いが、かなりのスタミナとスピードを持っているため、長い距離を走破出来る。   奴隷商人「ヒヒヒ♪お前ら、売られた感想はどうだい?なかなかいいだろう。手枷と首輪が似合っておるぞ♪」   エルフ「………」   天使人「………屈辱的ですわ」   魔人「首輪が無かったら今すぐあんたを八つ裂きにしてやりたいね」   獣人「出せこの野郎!!」   4人の内、獣人だけが暴れる。しかし   バチバチバチ!!   獣人「ぐぁぁぁぁあ!!」   奴隷商人「ヒッヒッヒ♪まだ懲りんのか?なら、まだまだ流してやるぞ?♪」
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