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「ですから、どなたですか?」
俺が声をかけると、自分の世界に入っていた胡散臭いお兄さんは俺を置き去りにしている事に気付いたのか、これは失礼と言って自己紹介をしてくれた。
「小生はアレシアス学園、植物管理の空凜太郎(そらりんたろう)と申します。貴方は?」
「津田燵臣(つだたつおみ)です。あのここはどこですか?てか、どうなってるんですか?」
いきなり分からない所の名前が出てきて、知らない人がいる事に俺は少なからず混乱していた。
俺の必死さが伝わったのか、落ち着いて下さいと言ってきた。
「取りあえず、小生の部屋に行きながら説明します。危険はありませんから」
もし危険がある所に行くとしても、危険があるとは言わない。俺は不審に思ったがついて行く事にした。逃げたところでここは相手の手の内だ。それを分かっていて逃げるのはバカがする事だと思う。
「…分かりました」
俺の返事を聞くと、空さんは歩き出した。
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