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予想に反して空さんは部屋に着くまでずっと説明してくれた。
部屋に着くと空さんが勧めてくれた椅子に腰掛け、淹れてくれたお茶を一口飲むと少し落ち着いた。
「空さんの話を纏めるとここは俺のいた次元じゃなくて、魔法と剣を教える学校で、俺は理由は分からないが、誤ってこっちに来てしまったって事ですか?」
「簡単に纏めるとそうですね」
空さんが説明した事は、俺にとったら凄く予想外で、落ち着いた頭がまた混乱してきた。
取りあえず、帰る方法を空さんは知らないから、自分で調べないといけないらしい。
「俺はどうしたら良いですか?」
「そうですね。まずは――」
言いかけた時に扉がノックされた。空さんは返事をし、扉を開けた。
「失礼します。空先生、頼まれていた資料ありましたよ、ってすみません。お客様でしたか?」
中に入ってきたのはこの学校の制服なのか、紺のブレザーとズボンに緑色のネクタイを緩く締めている、俺と歳が変わらない位の少年だった。
空さんより少し高い位かな。漆黒の様に綺麗な髪は真っ直ぐで短髪が似合う、イケメンだった。眉を少し下げ、目は少し垂れ眼気味の薄茶色の瞳をしていた。
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