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部屋のドアをノックしたら返事が戻ってきた
『はいるよ~』
「うん」
部屋に入ると、疲れた表情をした雪矢がベッドに腰掛けていた
『風邪でもひいた?』
「ううん」
『なんか顔色が』
「…………」
あれ?
なんか暗くなったみたい
『そだ!イチゴ食べようよ』
「うん……ねぇ、凛」
『ん?』
「その……ゆ、幽霊とか信じる?」
『へっ?』
「だから、心霊現象とか」
いきなりなんだろ?
『ん~、見れば信じるかもね』
「………そか」
『あっ、昔映画で見たことある』
「ん?」
『なんかね、幽霊が部屋にいたりすると食べ物が塩辛く感じるらしい……まさかねぇ~』
「そうなんだ」
『あっ、やっぱりミルクも持ってくるね!先に食べてて』
「うん」
雪矢にイチゴを渡して部屋から出た
幽霊?
幽霊は夏限定のものじゃないのかな?
首をひねりながらキッチンに向かった
「はぁ……」
やっぱり気のせいだったのかな
イチゴをフォークで刺して、口の中に入れた
「うっ!!!」
嘘………
めちゃ塩辛い
やっぱり幽霊はいるんだ
震えながらベッドにもぐりこみ、体を丸くして目を閉じた
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