非凡人

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周りの友人達がやけに幼く思えた。 話していても同じ事ばかりでつまらない。 それ以来私は自分が他の生徒より大人びているとひっそりと理解した。 夏休みや冬休みの宿題はもっともらしい理由をつけて先生を丸め込んだ。休み時間には将棋本を読み周りに自分の才をアピールした。図書館で借りる本は伝記か図鑑しか見当たらなかった。 今考えても気持ちが悪いくらいに変態な自分であったが、今と昔も変わらない事が一つだけある。妄想が激しいという事だ。小学校時代の唯一の趣味は500円で妹に宿題を押し付け、自分は好きなアニメの音楽を聞きながら妄想に酔いしれる事であった。 それにしても妹には本当に迷惑をかけたと思っている。自分が中高大と私立に進んだせいで妹は中高公立、大学は短期の道を進まざるを得なかった。本当に私は最低な兄貴分であったと思う。私は4才まで母親の愛情を受けて育ったが妹は2才までしかそれがないのである。私なんかよりももっと悲しい人生を歩んでいるはずであろう。誰か、我こそは平成の世の義経と言わんばかりの良男がいればどうか我が妹を幸せにしてやってほしい。
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