現実逃避

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アタシは振り返った。 そこにはお城の扉ではなく あの木の根っこのトンネルがあった。 「行かなくちゃ…」 ハートの女王は寂しげに アタシの頭を撫でてくれた。 「これを、やろう。 またいつでも来るがいい…」 ハートのネックレスを受け取って アタシはハートの女王に頭を下げた。 木のトンネルは本当に あっと言う間に抜けてしまった。 出てきたのは アタシの部屋じゃなかった。 リビングでもない。 勿論、あの森でもない。 真っ白な世界。
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