起床〰!

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起床〰!

「起床〰!」 「もう起きてるよ!」 この号令が聞こえるまで寝ている懲役=(受刑者)なんて、そうそういません。 21時が消灯で、9時間ちょっと。 誰が眠れます? うちの幼稚園児のチビたちだって、22時、3時まで起きてるっての。 夏なんて、たまったもんじゃありません。 暑さと 虫刺されのかゆみと 喉の渇きに じっと布団の中で辛抱しなくちゃいけません(辛) 起床時間が待ち遠しいほどです。 クーラーなんて勿論ありません。 団扇は貸与されます(笑) 網戸はあります。 私たちが出たくてしょうがない所に、蚊ってなんでわざわざ入って来るのでしょうか(笑) 雑居房では、お茶はヤカン一杯貰えます。 そのお茶を、就寝前に各自マイ湯飲みに注ぎ、受け皿でフタをしキープします。 冬も又、堪りません。 刑務所って大抵、山の麓みたいなへんぴな場所に在るんです。 九州には実際、通称、麓刑務所って女子刑務所も在ります。 街中に比べ、2・3℃気温が低いんじゃないでしょうか。 冬場は、薄っぺらな掛け布団に毛布だけ。暖房なんてありません。 築30年以上経った古びた舎房には、どこからともなくすきま風が入ってきます。 懲役って、色々なこだわりを持ってます。 敷き布団の上に毛布を敷く者、 掛け布団の下に毛布を掛ける者、 掛け布団の上に毛布を掛ける者、 中にはどんなに寒くても毛布を使わず掛け布団一枚で寝る頑固者 なんてのもいます(笑) 「〇〇さん、なんで毛布着らんと?」 「いやぁ俺暑がりやから、裟婆でも毛布使わんとよ」 なんて言ったら最後、出所するまで貫き徹さないといけないのが、厳しい刑務所の世界なのでした(辛)(笑)
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