65人が本棚に入れています
本棚に追加
「便所入りまーす」
はっきりと意思表示する訳でもなく、まるで独り言の様な絶妙なトーンでこの言葉を発します。
雑居房では、便所に入る時、同房の方々に連絡するのがマナーです(笑)
この言葉には、大きく二つの意味合いが含まれています。
一つは、言葉通り便所に入るという意思表示で、もう一つは「ちょっと時間が長くなりますよ」という意思表示でもあるのです。
その為、この言葉を発した後に、
「あっ、ちょっと待って!」
と、しばしば声が掛かります。
その時には、
「どうぞ」
って、笑顔で先に譲ってあげます(笑)
雑居房の便所は、約半畳程の個室です。
個室とはいえ、鍵はなく、ガラス張りになってます。
舎房の外にいる刑務官が、いつでも所在確認出来るようになっているのです。
独居房の便所は、個室にもなってません(涙)
寝食する三畳程の空間に、便器もポツンと設置されてます。
目隠しの衝立は在るものの、プライバシーなんて、あったもんじゃありません。
刑務所の便所は、用を足す以外にもう一つ大切な役割があります。
性欲の処理の場でもあるのです。
エロ本(こっそり)片手に、
「便所入りまーす」と
宣言します(笑)
本来ならば、便所に本を持ち込むのは、禁止だと思いますが・・・
暗黙の了解ってやつです。
たまーに、意地の悪い刑務官に見つかったら
「オイそこっ、なん持っていきようとかっ!」
なんてこと言われます。
ヤクザの大親分だって例外ではありません。
二週に一度とか、月一とか処理するんです。
なかには日に八回もこなす強者(?)もいました(汗)
裟婆だったら、大の男がってちょっと恥ずかしいことですが、拘禁生活ではしょうがないことなんです。
お互いが、理解しているので、何も恥ずかしいなんて思ったことはありません。
日に八回は、どうかと思いますが・・・
最初のコメントを投稿しよう!