お手洗いでのマナー

2/3
前へ
/13ページ
次へ
「便所入りまーす」 はっきりと意思表示する訳でもなく、まるで独り言の様な絶妙なトーンでこの言葉を発します。 雑居房では、便所に入る時、同房の方々に連絡するのがマナーです(笑) この言葉には、大きく二つの意味合いが含まれています。 一つは、言葉通り便所に入るという意思表示で、もう一つは「ちょっと時間が長くなりますよ」という意思表示でもあるのです。 その為、この言葉を発した後に、 「あっ、ちょっと待って!」 と、しばしば声が掛かります。 その時には、 「どうぞ」 って、笑顔で先に譲ってあげます(笑) 雑居房の便所は、約半畳程の個室です。 個室とはいえ、鍵はなく、ガラス張りになってます。 舎房の外にいる刑務官が、いつでも所在確認出来るようになっているのです。 独居房の便所は、個室にもなってません(涙) 寝食する三畳程の空間に、便器もポツンと設置されてます。 目隠しの衝立は在るものの、プライバシーなんて、あったもんじゃありません。 刑務所の便所は、用を足す以外にもう一つ大切な役割があります。 性欲の処理の場でもあるのです。 エロ本(こっそり)片手に、 「便所入りまーす」と 宣言します(笑) 本来ならば、便所に本を持ち込むのは、禁止だと思いますが・・・ 暗黙の了解ってやつです。 たまーに、意地の悪い刑務官に見つかったら 「オイそこっ、なん持っていきようとかっ!」 なんてこと言われます。 ヤクザの大親分だって例外ではありません。 二週に一度とか、月一とか処理するんです。 なかには日に八回もこなす強者(?)もいました(汗) 裟婆だったら、大の男がってちょっと恥ずかしいことですが、拘禁生活ではしょうがないことなんです。 お互いが、理解しているので、何も恥ずかしいなんて思ったことはありません。 日に八回は、どうかと思いますが・・・
/13ページ

最初のコメントを投稿しよう!

65人が本棚に入れています
本棚に追加