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プリンを入れ終わったりゅうは、お弁当の蓋を開けて「ほわっ?!」っと、変な声をあげた。
「……先輩、これ全部食べていいんですか?」
「え、いいよ。全然かまわないけど」
「マジですか……。では、遠慮なく。いただきます!」
パンっと手を合わせて、勢いよく食べ始めるりゅう。俺はその隣で、俺のペースで食べ始めた。
「……御馳走様でした!」
「はやっ」
昨日と同じく、十五分ほどで完食してしまったりゅう。俺も急がなければならないのかと、少し急いで食べようとしたら、りゅうに止められた。
「あ、先輩は急がなくてもいいですよ。早食いは身体に悪いですしね」
「……」
今ここで早食いしたのはどこの誰だ。
「あ、先輩。携帯番号とアドレス教えて下さい。昨日聞こうと思ったんですが、携帯忘れたことを忘れてました」
「あ、いいよ。勝手に入れていいから」
俺が自分の携帯を差し出すと、黙々と操作して赤外線通信を始めた。
「送信。ありがとうございます、先輩のアドレスげっと出来ました」
ん?ちょっと違和感。
「りゅうってさ。英語苦手だったりする?」
「え~?なんでですか」
「いや、さっきから発音が……」
ちゃんと発音しているときもあれば、先程までのように発音が甘いところもある。だから、英語が苦手なのかと聞いたが、違ったようだ。
「英語は結構できますよ。発音があれなのはですね~、ここ日本じゃないですか。だったらなんとなく通じればいいんですよ」
「だいたい、しっかり発音するの、疲れません?」と、逆に聞き返されてしまった。
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