「謝れよ!!」

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 このままここで考え事でもしようかとも思ったが、先生に追い出されてしまった。  考えてみれば、先生は生徒指導担当だ。授業をサボらせたくなかったのだろう。  教室に戻ると、誰もいなかった。なんでだっけと考えて、この時間は体育だったと思い出す。授業の途中で混ざるのも、目立ってしまうと考えた俺は、何をするというわけでもないが、とりあえず席に着いた。  することが何もないと、無意識にでも考え事をしている俺。考えるのはやっぱり、りゅうの事や麗の事、それから俺の事。  俺が麗の申し出を断ってたら、こんなことにはならなかっただろうかとか。りゅうの言葉を、冗談と受け止めなければ、最悪の事態は避けられたんじゃないかとか。そもそも、俺が泣いたりしなければ……。 「……もう遅いっての」  さっき矢島先生にも言われたのに、また同じことをやっている自分に呆れる。大事なのは、過去の事じゃなく、これからの事なのだ。  なんて考えを巡らせていると、授業終了のチャイムが鳴った。皆が帰ってくる足音が聞こえてきたので、俺は一旦考えることを止めた。  まさかその日は、家に帰るまで考えられる余裕が無いとは思わなかった。
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