高橋美帆 1

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ガタッ 先生は急にプリントの採点をやめ、こちらを向いた。 「いや、だってさぁ寂しいじゃん。恋してみたいし」 「……つか相手いんのか?」 先生はプッとバカにしたように笑った。 「いますー!!私にだってそれぐらい」 「はいはい。つか恋ってするものじゃなくて落ちるものだろ?」 「………」 え、何…… 先生ってそんな乙女チックなこと言うタイプだったっけ? 顔に似合わず、ズバズバ言うタイプだと思ってたんだけど。 「おぃ、あきらかに気持ち悪そうな顔するなよ」 「いや、私って素直だから」 バシッ さっきより強く、プリントのたばで頭を叩かれた。 「って、痛いし」 「失礼なこと言うからだろ?」 ブーブー。だってさぁー。 「はぁ……まぁいいけど」 よし、今日も私の勝ち。 私が嬉しそうにガッツポーズをしているのを見て、先生は呆れるように笑った。 ガラッ 「美帆ー。あ、やっぱり」 「あ、早苗じゃん。部活は?」 「今日は休みって言ったじゃん。ほら帰るよ」 あ、忘れてた。 先生もバカだろおまえ的な顔してる。 ,
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