prologue1

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駅前通りを抜けて波瀬橋を渡り、海の近くにある神社の境内に俺は来た。 記憶を頼り社の裏手の雑木林を抜けると、そこから海が一望出来た。 ここに来たのはいつぶりだろう。しばらく来てなかった気がする。 適当な岩場に腰を下ろし、買ったドーナツの一つを食べる。 甘かった。 あの時もこんな感じだったっけ…… 今あの娘はどうしてるだろう。 あの娘とは俺と幼馴染みの女の子のこと。 本名は砂原(サハラ)凪(ナギ)。 俺はナギと呼んでいた。 7年前、凪はこの町を引っ越した。 最後に会ったのはここだったっけ…… あの時のことは未だ鮮明に覚えてる。
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