15人が本棚に入れています
本棚に追加
───
凪が引っ越す前日、俺は凪と神社の小さな境内で遊んでいた。
日も暮れて来て、そろそろ帰る頃、凪は俺の手を引いて「見せたいものがあるの」と社の裏の雑木林の中に連れてった。
雑木林を抜けると少し開けた場所に出た。
先は少し高い崖になっていて、海がよく見えた。
夕日で橙色に染まった海が時折反射して光る。
「すげー」
幼い俺の口からはそんな単純な言葉が漏れた。
「でしょう?この前見つけたの」
俺たちは暫くその景色に見入っていた。
「ねぇ……私たち、これからもずっと……ずっと友達だよね?」
突然、凪がそんなことを言った。
最初のコメントを投稿しよう!