男の子と女の子

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 『こいつ』はいつも歩くのが遅い。僕より遅い。  だから、いつも僕が合わせて歩かないといけないのだ。  「『もしかしてこいつ、おれのことが好きなんじゃ!?』とでも考えた?」  「まあ、正直に言えば。でもさ、そんなことより、お前が、前みたいに必要以上に一人でいようとしなくなったことが不思議でさ。なんかきっかけとかあったの?」  きっと『こいつ』はもう忘れている。でも、言われた言葉は、言われた方が良く覚えているものだ。  「んー、内緒」  「なんだよーおれには言えないことなのか?」
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