独冬酔歌

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雪降りし町ただ一人歩きて 人恋し孤独の冬 以前には温めあった懐かしき手も 今はもう雪と消ゆ 一人の夜はいたずらに町を徘徊し 手に持つビンを開けるだけ 空のビンを持つ手は妙に虚しくて 急ぐ家路に酔いも冷めむ 君の手を持つあの頃は 帰りの道は短くて、道の長さがうらめしけり 空のビン持つこの頃は 帰りの道が果てしなく、道の長さをうらむだけ 雪溶けの町ただ一人歩きて 君恋し長き孤独の冬 冬も終わらば君を忘るか
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