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早く帰らなければ‥
フードの者は夕日に包まれた空を見上げ思った。
砂漠は後1日あれば抜け出せれる‥
しかし、場合によっては1週間‥いや、1ヶ月もかかる時がある。
『日が暮れると危ない‥』
そう言えば竜は走る速度を速めた。
夜は厄介だと竜自身も理解しているのだ。
この調子で走れば日没までには着くだろう‥
そう心の中で思い、目を細めた時‥
『‥!!
‥避けて!!』
ドザンッ!!という音と共に盛り上がる砂。
そして巨大な陰と頭上に振り落とされるであろう何か。
咄嗟に気付いた竜は後退りする事で振り落とされた何かを避けた。
『やっぱりタダでは帰してくれないね‥』
何㍍あるか分からない芋虫のような身体に無数にある鋭い牙‥
グネグネと身体を左右に揺らし、砂から這い出す姿‥
あちこちに岩を付着させた巨大な蟲‥“サンドワーム”がフードの者と白い竜を見下ろしていた。
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