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目のない顔を此方に向け、口をバックリと開く生物。
『こういうのがいるから嫌なんだよね‥砂漠って‥』
砂漠が危険な理由‥
それはサンドワームのような化け物が出るからだ。
過去に砂漠の中に入った者達がいたが殆んどの者は喰われてしまった。
喰われてはなくとも広い砂漠の中で迷い、死に耐えていく。
例え帰還しても無事では済まない。
手足のどれか‥
全部を持っていかれた者もいる‥
こんな化け物がいるから砂漠は危険なのだ。
更に砂漠には夜行性の生き物が多く、サンドワーム以上に厄介な奴等がウジャウジャいる。
『あぁ‥ついていない‥』
ギラギラと鋭い牙をチラつかせ、“キシャアァ!”と奇声を上げるサンドワームにフードの者はため息をつく。
恐怖など微塵も感じさせない余裕の声だった。
『さて、どうするか‥』
振り落とされる尾に当たらまいと避け続ける竜。
その上でフードの者は考えていた。
相手をしてもいいが長旅で疲れている。
竜も長時間走ったことでスピードも落ちていて、何時までも避け続ける事は出来ない。
ふむ‥と声を上げ、腰にある銃に手を伸ばして見ればズシリと重い感覚‥
カチリッ‥と挿入されている弾を見ればフードの者はまた、ため息をついた。
『麻痺弾は‥せいぜい三発かぁ‥
あんなデカイ化け物に撃ち込んでも効くかどうか‥』
そう言った時‥
「撃て!!」
という声と何発もの弾丸がサンドワームを貫いた。
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