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サンドワームの悲鳴と何十発もの銃声‥
巨大な生物が倒れる音‥
倒れた衝撃で舞い上がる砂をコートで防ぐ。
「大丈夫ですか!?」
目を向ければ此方へ走ってくる無数の竜に乗った男達‥
そして‥長い黒髪の小柄な少女がいた。
『ルルア‥』
「お怪我は!?」
『無いよ。』
クリクリとした黒い瞳を揺らし、此方へ寄って来る少女‥ルルア。
ミルク色の白い肌に似合うフンワリとした黒いドレス。
しかし、その腕や腰、足には甲冑のような物が付いており鎧の様にも見える。
『どうして此処に?』
「サンドワームが近くに現れたという情報がありまして‥」
『そっか‥』
彼女が来てくれて助かった。
もし、このまま来なければ疲れ果ててサンドワームの餌か骨になっていただろう‥
『ルルアが来てくれて助かったよ。
ありがとう‥』
「いえ、ご無事で良かったです。
お帰りなさい‥羽音姉様。」
『うん、ただいま。』
グッ‥とフードに手を掛け外せば目に映るのは透き通るような長く美しい空色の髪にルルアに負けない位の白い肌。
そして可愛らしく可憐な顔とは考えられないくらい強い目を持った幼い少女‥
“羽音”が笑っていた。
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