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与守鴉は俺といるかぎり危険な目に合うだろう。
俺の傍にいるだけでいいと言ったが、実際は銃の使い方、合気道、空手、ナイフの使い方など教えといた方が守りやすいだろう。
できれば、頭の回転も速ければ……と思うがそううまくはいかない。何しろ相手は子供だからな。
それに何より巻き込みたくない…だが、俺といる時点で巻き込まれているんだろう。
それに離れたいとも思わないからな。
「合気道か…」
小さい体に教えても無駄に近いが、取り合えず教えとけば後々役に立つ。
ナイフを常に持たせとくか?だが、もし人前で出すようなことがあれば俺が怪しまれる。
やっぱり合気道を教えつつ、傍において俺が守ってやるしかないか……。
「お兄さん?」
「一応、合気道を教えてやる。」
「あい…き、ど?」
「ああ、自分の身を守るためのすべだ。ナイフや銃の使い方を学んでくれれば安心なんだが、生憎与守鴉はまだ子供だから心配だ。取り合えず、将来のためにも合気道を俺が教えてやる」
「合気道覚えるから…銃とナイフの使い方も教えて!勉強たくさんするから!」
「………」
勉強をしてどれほど与守鴉の頭がよくなるかにもよるが、もし上手く行けば俺の足手まといどころかパートナーとして役立つかもしれない。
いや、でも子供だ。それにこれでは、与守鴉をもっと危険な目に…。
子供は大人に敵わない。だが、与守鴉も強くなることを望んでいる。
さっきは断ったが、よくよく考えれば与守鴉の望みを叶えてやらないと、俺から離れてくかもしれない。
それならいっそ強くなるすべを教えるために、勉学にも励んでもらうか?
パソコンでもなんでも使えるようになればもっと効率よく……なんて、期待しすぎか。
まぁ何にしろ、与守鴉の物覚えのよさに賭けてみるか。
「与守鴉、本を貸してやるから勉学に励め…。その代わり、俺が殺しについてと自分を守るすべを教えてやる。」
「そしたら、お兄さんの役に立てる?」
「あ…?まぁ、そりゃあな。だが、そんな簡単じゃねぇぞ?」
「うん!お兄さん、ありがとう!絶対お兄さんの役に立つように強くなるね!」
「ああ」
俺がこいつのためなら、こいつは俺のためなんだな。
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