新しい生活

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「取り合えず服だな、降りろ」 「うん」 朝なのにとても暗く感じるのは気のせいかな…? 「ここだ」 「黒い服ばかりだね?」 「夜にまぎれて人を殺す手段が多いからな」 「へぇ」 お兄さん以外に人を殺す人は何人いるんだろう? ここの服を着ることで僕も人を殺す人になるのかな? でもそれでお兄さんに近づけるなら…。 「どの服にするんだ?あまり代わりはないが、あるとしたら上着くらいか」 「うさぎ…これ白だよ?」 「ほしいのか?」 「あ…えっと……」 「与守鴉、怒りはしない。言いたいことを言え」 「欲しい…な」 「いいだろう」 「い、いいの?それに僕似合わないかも……」 「大丈夫だ。与守鴉なら似合う…。それに俺も着てほしい」 「あ…えへへ、じゃあお願いします!」 「他は?」 「あとはお兄さんと一緒がいい!」 「わかった。」 お兄さん優しいな…。でもそれは僕が子供だからかな? もし、子供じゃなくなったら……ううん、それなら強くなればお兄さんの傍にずっといられる! 「ほら、買ったぞ。あっちに試着室あるから着替えろ。その服は捨てる場所があるから捨てろ」 「え…っうん!」 服を捨てる場所まであるんだ…。あれ?下着まであるや…。 これもお兄さんと一緒なのかな?なんかお兄さんと一心同体みたいっ! 「どうした?」 「う、ううん!なんでもないよ、着替えてくるね!」 「ああ」 あーなんかお兄さんの前でにやけちゃって恥ずかしいっ! この頃の僕なんかおかしいや…。
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